所在:板橋区赤塚新町3-16-17
園名:認定こども園 コスモメイト成増保育園
1.活動のテーマ
テーマ
伝承遊び
テーマの設定理由
今年度の年長児クラスは年度当初より「独楽」を好んで遊んでおり、年少児や年中児クラスの子ども達もそんな年長児クラスの様子をみて憧れを抱いており、幼児クラス全体としても関心が高かったので、一過性の流行りとして終わらしてしまうのではなく、すくわくプログラムとして幼児全体で取り組み、例えば「どうして独楽が回るのか?」「どうしたらもっと上手に回せるのか?」など主体的な探求活動として展開していく、また、子ども達の興味関心に合わせてけん玉など他の伝承遊びにも展開していく。
2.活動スケジュール
4月より、夕方の自由遊びの時間を中心に主体的に伝承遊びに取り組めるよう段階的に環境を整備し、独楽・けん玉(筒けん)・獅子舞・と幼児クラス全体の遊びとして継続的に取り組んだ。また下記スケジュールにて講師を招き、伝承遊びワークショップを実施した。
12 月 16 日(火) 幼児クラス「独楽遊び」ワークショップ実施
1 月 13 日(火) 幼児クラス「けん玉(筒けん)遊び」ワークショップ実施
1 月 28 日(水) 幼児クラス「昔遊び・獅子舞」ワークショップ実施
ワークショップ毎に職員も子ども達と一緒に学びを深めると共に、活動の振り返りを行いない次の探究活動へ繋げていった。
3.活動のために準備した素材や道具、環境の設定
園に所属している「おもちゃコンサルタント」資格を有している職員を中心に、色々な種類の独楽やけん玉・筒けんなど伝承玩具を揃え、子ども達が自由に取り出せて遊べるように段階的に環境を整えていくと共に、幼児クラスの各職員もそれぞれ独楽やけん玉など伝承玩具の扱い方や技を子ども達に正しく伝えられるように社内研修を通して学んだ。
また、独楽・けん玉(筒けん)・昔遊び(獅子舞)と子ども達の興味関心の広がりに合わせて、それぞれその道の専門家を講師に招き、実際に技を見せてもらったり、具体的なアドバイスをしてもらうワークショップを実施することで保育者も子ども達と一緒に学びを深め、日常の保育活動の中でも、子ども達が主体的に伝承玩具で遊びながら個々の関心に応じた探求活動ができるように園内の環境を整えた。
4.探究活動の実践
活動の内容
4 月より年長児クラスの児が好んで遊んでいた「独楽遊び」を主に夕方の自由遊びの時間帯に子ども達が主体的に伝承遊びを選べるように環境を整備し、幼児クラス全体の遊びとして継続的に取り組んだ。
色々な形の独楽を用いて、どのようにしたら「なぜ回るのか?」「どうしたら上手に独楽が回るのか?」というところから考えたり図鑑で調べたり、実際に遊びながら回し方を探求していった。
上手に回せるようになった年長児は年少児へ回し方を伝えるなど世代間の交流も盛んに行われ、特に紐独楽では色々な技にも挑戦し、より難しい技の取得を目指し、講師を招いて実際に技を見せてもらいコツを教えてもらう(ワークショップ)をして、職員も共に学びを深めていった。
探求活動を進める中で、「けん玉(筒けん)遊び」や「むかし遊び(獅子舞)」など他の伝承遊びにも、子ども達の興味関心が広がっていったので、これらも同様に遊びを通して主体的に探究がすすめられるよう環境を整え、必要に応じて講師を招き同様に学びを探究活動として展開していった。
年長児は年度末の発表会において、独楽遊び・けん玉(筒けん)遊びを発表会の演目として自ら選び発表した。
そんな年長児の姿を見ながら年少児でも年齢に即した形で主体的に伝承遊びを楽しみ、子ども達が主体的に玩具を手に取れるような環境整備と合わせて探求活動として取り組んでいた。
活動中の子供の姿・声、子供同士や保育者との関わり
すくわくプログラムを活用した伝承遊び活動としては夕方の年長児クラスの独楽遊びより始まった。上手に回せる子とそうでない子がいる中で、「どうしたら上手に回せるようになるのか?」「そもそも、どうして独楽は倒れず回るのか?」といった疑問から、探究活動がスタートした。
指で回す独楽・手で回す独楽・紐で回す独楽と色々な独楽を回して遊ぶ中で、「いっぱい回すと長く回るね」「ぐらぐらしちゃうと倒れちゃうね」など、よく独楽の動きを観察して、時に図鑑などで調べながら、保育者や友達と一緒に上手に独楽を回す方法を探求していった。
特に紐で回す独楽遊びは年間を通して主体的に取り組み、色々な技にも挑戦した。
上手に回せるようになった年長児は、「ぼくも回したい」と言う年中児や年度の後半には年少児にも独楽の回し方を伝え一緒に遊ぶことで、年齢の小さな子でも上手に回せるようになり、それをみた年上の児は、更に活発に取り組むことで相乗効果的に主体的な探求活動が育まれていった。
子ども達の独楽回しへの探究意欲が高まるにつれて、「もっと難しい技ができるようになりたい」という声があがったので、独楽あそびの講師を園にお招きして、保育者も一緒になって、独楽の凄技を見たり、直接アドバイスをいただく機会を作った。
更に、伝承遊びへの興味関心は独楽だけに留まらず、「けん玉(筒けん)」「むかし遊び(獅子舞)」など広がっていき、個々に好きな伝承遊びを取り組むことで、その発見や楽しさを共有することで関わりを広げていき、次の探究活動へ繋げていった。
5.振り返り
振り返りによって得た先生の気づき
今年度のすくわくプログラムを実施するに際して、特別なことをするのではなく、子ども達の日々の遊びの中から計画を立てることを決め、その中で 4 月に子ども達が好んで行っていた「独楽遊び」に着目し「伝承遊び」として年間を通して実施した。
保育園での遊びは色々な種類のものがあり、普段であれば、子ども達は一つの遊びに対して、最初は非常に熱心に取り組むものの、次第に飽きて他の遊びに移行していくことが多いが、今回の「独楽遊び」では、保育者も子ども達と一緒に取り組み、遊びの中で
出てくる言葉や行動に着目し、幼児クラス会議等で振り返りを行った上で、職員全体の会議にて記録(文章と写真)を用いて全職員が共有し振り返りを行い、子ども一人ひとりの興味関心がどこに向かっているか確認しながら次の活動へと繋げていった。
子ども達が遊びの中で発している疑問や感想をその場限りで終わらせてしまうのではなく、言語化して子ども達に再提示することによって、子ども達は自ら疑問を解決しようとし、次の課題を設定するなど探求活動を行いながら遊びの幅を広げたり深めていったりした。
日常的に保育園で遊ばれている積み木やブロックなど形に残る遊びは成果が目に見えて分かりやすく、反対に伝承遊びというジャンルの遊びは形に残らない為、可視化し辛いが、継続的に行うことで個々の子ども達の中でしっかりと経験として積み重なっていくことが再認識でき、形として残らないからこそ子ども達は自らが自分の中にある問いを言葉や行動で自発的に発信し互いに共有することで、探究活動の発展につながっていった。